びるこブログ

ビールを愛する病院薬剤師。伝えたいのは医療のこと、トレーニングのこと、健康について考えること。

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お好み焼き食べてアナフィラキシー起こした話

こんにちは! びるこです。

 

そろそろ大好きなビールの話を書きたいなーと思っていたのですが、ビール飲んでる時の失敗で1番やばかったの何かと考えていたらアナフィラキシーを起こしたことだなーと思い出したので書きます。

 

ビール飲みながらお好み焼きを食べてアナフィラキシーを起こした話

パンケーキシンドロームという言葉をご存知の方もいると思います。

1993年に出されたErbenらの

「貯蔵庫ダニ(storage mite)摂取によるアナフィラキシー」という論文が初めての報告のようですが、ダニが繁殖してしまったお好み焼き粉やパンケーキ粉を食べてアナフィラキシーを起こしてしまうことをパンケーキシンドロームと言います。

 

テレビでも取り上げられていたり、結構有名みたいなんですけど当時私知らなかったんです。

なので完全にやっちゃいました。ダニ大量に食べちゃいました。

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2016年の事です。

仕事が早く終わったので家で自炊しようと思い、使いかけのお好み焼き粉があった事を思い出しました。

冷蔵庫には入れておらず、常温で保管してました。←これが完全にまずい。

 

ビールも用意して、1人で飲みながらお好み焼きを食べ始めた5分後のことです。

何やら喉がかゆい。急激に呼吸が苦しくなり、喘鳴と咳嗽という喘息の症状が出ました。

体や顔も痒くなって、どんどん蕁麻疹が出てきます。眼瞼浮腫がひどくてお岩さん状態に。

もうパニックです。何らかのアレルギー反応だとすぐに分かりましたが、何が原因か分かりません。

喘息持ちではありませんし、食物アレルギーも持っていません。

 

お好み焼き アナフィラキシー」で検索したら、すぐ答えが出てきて驚愕しました。

私が食べたお好み焼きはダニまみれだったのです。

1gあたり1万匹いる事もあると書いてあり、私は数口食べていたので10万〜20万匹くらい食べたことになります。悲しすぎて死ぬ。

粉をよく見ずに作ってしまったので気がつかなかったのですが、動いているダニが目視で確認できる場合もあるようです。ゾッとする。

 

しかもビールを飲んでいたせいで

  • アルコールによる血管拡張
  • IgEを介した肥満細胞からのヒスタミン遊離による血管拡張

のダブルパンチで急激に症状が出たものと考えられます。

ビールが憎いが、もしかしたら早期に症状が分かって良かったのかも知れない…と思うとありがとう。

全部食べてたら取り返しのつかない事になっていたかも知れません。

 

当時私は勤めていた病院から徒歩10分くらいの所にひとり暮らししていて、病院に行くか迷いました。

次の日は学会参加のため福岡に行く予定があったのです。

私はNST(栄養サポートチーム)に所属していたので日本臨床栄養代謝学会に参加予定でした。

栄養のプロ達が集まる学会に行く前日に、食品の管理不良でアナフィラキシー起こしてる私はなんてダメな奴だと凹みました。

 

病院行って念のため入院とか言われたら学会行けないな、今日の当直誰だっけな、そもそもビール飲んでダニ食べて顔がずんぐり腫れているのが恥ずかしいな。

なんてアホな事を考える余裕があったため、おそらく重症度はそこまで高くないと判断しアナフィラキシーガイドラインを確認して自分で対応可能か確認してみました。

※絶対に真似しないでください。自己対応も可能な状態と判断した上で、自己責任でやっています。アナフィラキシー時はすぐに救急へ連絡しましょう。

 

まずは救命救急のABCを確認します。

  • A:airway 気道確保
  • B:breathing 呼吸確保
  • C:circulation 循環確保

意識はありましたし、喘鳴と咳嗽はあるものの呼吸は可能、脈の低下もありませんでした。

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【一般社団法人日本アレルギー学会:アナフィラキシーガイドライン

ガイドラインから判断するに、グレードは1〜2と思われました。

グレード1の場合はアナフィラキシーとは判断しないと記載があります。

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【一般社団法人日本アレルギー学会:アナフィラキシーガイドライン

アナフィラキシーショック時の第一選択は即決でアドレナリンですが、血圧低下によるショック症状が出ていないためアドレナリン投与の必要は現時点では無さそう…となると、ヒスタミンステロイドで対応可能と判断しました。

エンペラシン配合錠(ベタメタゾン0.25mg/d-クロルフェニラミンマレイン酸塩2mg)を持っていましたので、1回2錠で内服し様子を見てもう2錠追加して安静にしていました。

水分もしっかりとって、体液量はしっかり確保。

 

それでダメなら諦めて病院に行こうと思っていましたが、徐々に顔の腫れと喘息症状が治ってきたので無事に翌朝を迎える事ができました。

学会にも無事行けました。

 

大事なことなので2回言いますが、アナフィラキシー症状を疑った場合は絶対に救急に連絡して下さい。

 

私はすぐに症状に気がつきお好み焼きを食べるのをやめたため、軽症で済んだのでしょう。

実際は救急搬送される方もいますし、死亡例もあります。

もともとダニに対してアレルギーを持っていたり、慢性鼻炎や喘息がある方は特に危険ですので注意が必要です。

 

ダニは少しの隙間からも侵入し急激に繁殖します。

そしてタンパク質が大好きです。

お好み焼き粉やパンケーキ粉等は必ず密閉容器に入れ、冷蔵保存し早めに使い切りましょう。

プロテインも注意が必要です。

でないと私のように悲惨な目に合う可能性があります。

 

加熱でダニは死滅しますが、ダニの死骸やフンを食べる事でアレルギー反応が出ますので加熱は無意味です。

無知は怖い、猛省しました。

 

温度も湿度も上がってきましたので、みなさまもお気をつけください!

おつまみは安全な食材で作りましょう…

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。