beercoブログ

ビールを愛する病院薬剤師。伝えたいのは医療のこと、トレーニングのこと、健康について考えること。

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子宮頸がんワクチンについて考えることを放棄するな。

こんにちは! びるこです。

 

先日、子宮頸がんワクチン接種のチャンスがなかった世代の女性達が厚労省に署名を渡しているニュースを見ました。

 

子宮頸がんは20〜30代での罹患率が非常に高いです。

32歳の私と同世代の方は他人事と思わず読んで欲しいです。

 

 

日本の子宮頸がんワクチン接種率は1%未満(接種推奨年齢における)ということで、薬剤師として伝えたい事を書いていきます。

 

接種率1%未満という非常事態

日本で承認された最初のHPVワクチン「サーバリックス」が発売されたのが2009年の事です。

 

私は当時20歳で、発売後すぐに打ちに行ったことを覚えています。

推奨接種年齢は小6〜高1ですが、子宮頸がん検診をしっかり受けた上でHPV感染が認められないのであれば20歳以上でも効果は期待できると言えます。

もちろん自費ですが、私はがんが予防できるということにとても希望を感じましたし何の迷いもなく打ちました。

 

その後、このワクチンの副作用がメディアで騒がれ出し、2013年には積極的な勧奨の差し控えとなりました。

なんてこった。副作用のない薬は存在しないのに。

今は因果関係は証明されなかったとなっていますし、リスクをとるかベネフィットをとるかの話になります。

 

私は勝手に、その後も一定数の方々はワクチンを接種しているだろうと思い込んでいたのですが、まさかの1%未満という絶望的な数値になっていると知り驚きました。

 

他国との差が歴然です。

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厚生労働省作成リーフレットより

 

 

 

100年以上前からの進歩とは?

少し前に直木賞受賞作 川越宗一さんの「熱源」を読みました。

日露戦争前後のアイヌの人々の話で、序盤に天然痘のことが書かれてます。

当時すでに種痘の接種は可能で、村人に接種を勧めていました。

ところが、なかなか接種は広がらなかった。

「そんな訳の分からないものを体に入れるなんて、気持ち悪い」と言い拒絶する人が続出したのです。

その結果多くの人が天然痘に罹り亡くなり、大量の死体を運ぶシーンが書かれていました。

100年以上も前のことです。

 

当時の人々は、確かによく分からないものに恐怖し、拒絶したのでしょう。

しかし、現代の私達は多くの情報を得る術を持っています。

他の先進国では、しっかりと投与が進められていたというのに現在1%未満の人しか子宮頸がんワクチンの接種をしていないのは、多くの人が知る事と考える事を放棄した結果なのではないでしょうか。

(メディアや国の方針のせいにしたくなりますが、原因自分論でいきます)

 

まずはワクチンのこと、そして何よりも子宮頸がんの事を知る事が大切です。

 

病棟で見た子宮頸がんの現実

私は婦人科病棟を担当していた時期があります。

子宮頸がんの患者さんは常に5名以上は入院していました。

治療方針は癌の進行具合で決まりますが

  • 前がん病変で見つかれば、三角形に切除する円錐切除術
  • 子宮を残す希望がなければ単純子宮全摘
  • もう少しがんが広がっている場合は少し広めの広汎子宮全摘
  • 更に広がっていると切除不能なことも
  • 放射線併用の化学療法、抗がん剤単独投与等

http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10

詳しくは日本産科婦人科学会HPを参照してください。

 

私が病棟で経験したのは、同年代の患者さんが緩和を選び転院先の病院で亡くなったこと。

最期の最期まで抗がん剤投与を継続し戦い続けた患者さんの姿を多く見たこと。

 

癌の浸潤で膣と直腸や膀胱が繋がってしまうこともあります。膣から便が出てくる可能性があるということです。

抗がん剤自体にアレルギーが出てしまい、思うように治療を進められないこともあります。

医療用麻薬をどれだけ使っても痛みのコントロールが効かない事もあり、薬剤師として何もできない無力感を感じる事も多々ありました。

 

ワクチンの副作用をたくさん調べたという方は、子宮頸がんについても同じように調べて知ってほしいのです。

 

ワクチンを打ってもその後の検診は必須ですし、私も検診は受け続けています。

日本は検診率も低く20%程度というデータを見ました。子宮頸がん甘く見過ぎ!

検診を受けるからワクチンは要らないと言うことでもありません。HPVに関係なく起こる子宮頸がんもあるからです。

 

自分で考え、選ぶということ。

私が伝えたいのは、ただなんとなくSNSの情報やメディアの情報を信じるのをやめて、自分で考えて欲しいと言うことです。

誰かに言われたから、なんてのはやめてください。自分の命の問題です。

 

子宮頸がんワクチンを打たなかった99%の人は、本当に自分で考えて決めたのか。

ワクチンの存在を知らなかったと言う人ももしかしたら居るのかも知れませんが、まだ遅くは無いです。これから知り、考えましょう。

 

そんなことを偉そうに言っている私は、小さい頃注射が大嫌いで

「おたふくかぜにはなっていい、注射はしない!」

と病院で暴れ、結果その後すぐにおたふくかぜになり大騒ぎしたそうです。

そして、痛みに耐えられずセーラームーンのおもちゃが無いと頑張れないと言い張り、おもちゃ代を余計な出費として両親が出す事になりました。

おたふくかぜも後遺症が残る可能性がありますし、注射が怖いという理由で罹患して良いものではありません。小さい私は大馬鹿野郎です。

 

まとめ

ワクチン絶対に打ちましょう! とは言いません。

自分で考え、正しい知識を得た上で選んでください。

(出来れば、打つ方を選んで欲しいですけどね)

 

あなたの信じる道をしっかりと見つけてください。

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出典:岸本斉史NARUTO-ナルト-

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。